『桜花裁き』 第三話「至誠一貫」 後編

今回から後編になりました。

その話を一度やり切ってから記事を書いているのですが、真相を知っていると「こいつ よくもいけしゃあしゃあと ぬかしやがるな」、などと思うものです。

今更ながら、至誠一貫とは、「最後まで誠意を貫き通すこと」、「極めて誠実なこと」、「真心をもって立ち向かうこと」という意味があるようです。
志明くんに相応しいですね。

「一つの方針・方法・態度で、始めから終わりまでつらぬき通すこと」という意味もあります。
今の桜ちゃんさんに相応しいですね。

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前回、自分が協力者だと駆け寄ってきた、お瀧ちゃんこと大滝 瀧

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「きょ、協力者は私です! 私です! 私なんです!」

これには小梅も困惑
しかし、そこはさすがの桜、「悪いが、牢に入るのは出羽の方だ」と一蹴

前回と同じく、奉行所牢から周っていきます。
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「鼠小僧の姿がないな。どこに行ったんだ?」

小梅曰く、北町へ移送されたのでは、とのこと。景虎病でしたから仕方がありません。
移送の裁量は自分にあるのに勝手な事を、と桜ちゃん。

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「じゃあ私を牢に入れたのも、あなたの命令だって訳ですか」

うぇーい、お月ちゃん。こと、出羽 月

例のごとく一連の言い合いを終え、先ほどの大滝の行動を知らせてみます。
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「えっ……? な、なんでお瀧がそんなことを?」

ちょっとお月ちゃん引いてませんか? 大丈夫でしょうか。

捜査の撹乱妨害と、馬鹿なことをしたもんだ、と桜。
あたかも大滝への処分を考えているかのように振舞い、出羽に揺さぶりをかけます。

大滝に手出しをしないで欲しいと乞う出羽に対し、約束はできないが状況次第だと出る桜。
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「私が……私が鼠小僧の協力者です」
なんだか無理矢理自白を手に入れました。

奉行所を去りゆく桜に、小梅が声をかけます。
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「あ、あの……こんなやり方、間違ってると思います……」

あの小梅が、桜に物申しました。
さすがに、先ほどの行為は脅迫と言って過言ではありませんでした。

とは言え、桜も理解していないわけではありません。
正しいやり方で解決できればいいが、非道な手段を有する悪党には、時にはこういう手段も必要だと弁明。

この場は、小梅が「わかりたくないですが、わかるように努力します……」と納まりました。

お次は蔵王邸へ。
玄関で うろうろしている大滝を発見。
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「先ほどは……本当に、すみませんでした……」

次からは気を付けろと桜。
先刻の出羽とのやり取り、そして自白について伝えると、一気に動転する大滝。
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「私が、私がやったんですぅぅぅ……だから、だから……あぅ、うぁぁ……」

号泣
それにつられ、こんなに必死で、可哀想で、あんまりだ、と小梅も涙。
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(人を思いやる気持ちは必要だが、町奉行にはいらない感情だ……まったく……)
あんまりだよ桜。


三度、蔵王邸の地下室へやって参りました。
ここは午前中も一度調べましたが、思考を切り替えてもう一度調べよう、という桜の案です。

いやいや、そんな何度も調べて成果があるわけが……
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ある!!!

調べてみると、箱迫(はこせこ:筥迫)とのこと。女性用の、いわゆる小物入れ。
恐らく出羽の物だと思われますが、同時に桜は出来すぎていると訝しみます。

とりあえず、変化があったのは箱迫だけ。地下室はここで切り上げます。

お次は洋梨宅へ。
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「なんすか、また捜査っすか?」

二井宿うぇーい。

一応、出羽と面識はあるので、こいつにも聞き込みしておきまうぇい。
素っ気ない態度とられてるらしいですけどね。

二井宿が言うには、「近々遠出するわー」とか「船に乗って遠くにいくから、俺(二井宿)ともお別れ出来て楽だわー」とか、本人すっげーノリノリだったらしいです。
自分を伸ばす良い機会とも言っていたようで、出羽は南蛮へ行くことに肯定的だったことが窺えます。

なかなか良い情報を得られました。
蔵の方にも行ってみましたが、特に変わったところは無し。

洋梨が帰ってくるまで適当に時間をつぶしましょうか。
じゃあな二井宿、お疲れうぇーい


さて、奉行所まで戻ってきたところで、小梅から「本当に出羽が協力者なのか検討すべき」だと提案を受けます。

推理に不服があるのか、と桜の導火線に火が付いた感がありましたが、今後の為にまとめておくと役に立つ、と上手く丸め込む小梅。

要点だけ搔い摘むと、こんな感じ。
・鼠小僧は単独犯は不可能=協力者がいる
・協力者は蔵王と近しい人物
・永井 光義から得た、蔵王と出羽の関係性
・出羽が旅立つ南蛮への書類
・出羽の自白

あ、あれ? 本当にまとめただけだ。

もう一度、洋梨宅へ行ってみましょうか。
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「一体どこにいったのでしょうか?」

二井宿が居ないのは良いとして、洋梨の姿が一向に見当たりません。不用心にも程があります。

ふと、桜が一瞬、蔵への通路の方に見慣れた姿を捕らえます。
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手練れ組の捜査範囲は、現場周辺以外でしたが、何用でしょうか。
小梅は余所を向いていたようですが、追って桜もへと向かいます。
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「誰もいないだと? そんな馬鹿な」

怪奇、消えた進撰組。
どうにも腑に落ちませんが、これ以上は調べる必要もないか、と捜査を切り上げて奉行所へ向かいます。

さて、作戦会議のお時間です。
理夢と山南さんは、志明くんの看病のため欠席

まずは各班、捜査結果の報告から。
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「捜査しましたけど、芳しくなかったですね」

報告もほどほどに、なぜ洋梨宅に居たのか、二人に直接訊いてみます。
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「高畠の屋敷……? なんのことだ?」
「見間違いだろ。俺と沖田が、なんでお前達の捜査場所にいるんだよ」
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「まぁ、ただの見間違いだったんだろ。よくあることだ」

食い下がる桜ですが、皆に見間違いだと一蹴されます。
なんだ、見間違いか。よくあっちゃあ いかんだろうけども。

次いで桜と小梅組の報告。
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「……なるほど。出羽月が協力者である裏付けができた訳か」

近藤さんから、土方と紫乃へも意見が求められます。
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「都合のいい証拠ばかりで、これ以上捜査する必要はないと思いますね」
「私達からは、なにも言うべき事はありません。好きにすればいいと思います」

突然の投げやりな言葉に、桜も「なにが言いたいんだ」と、急速に悪化する雰囲気。
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「あ、あの……どうしたんですか? なんで、そんなに……?」

困惑する小梅に、近藤さんは「自分たちが上手いこと成果を上げられなかったから、苛ついてるだけだ」と、さすがの余裕を見せます。

といったところで、今日はもう遅い、と近藤さんから解散命令が下ります。
そして一瞥もくれずに退室する進撰組勢。

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「わたし達は、土方さん達を怒らせるようなことをしましたか……?」
「……わからない。それに、明日は何をするんだ。裁きはどうするんだ……?」

不穏な空気のまま寮へ。
土方も紫乃も、小梅に対しては普通に接しているようですが、桜に対しては会話さえしてくれない状況。

自室で今日一日の成果を整理する桜。
事件を推理し、出羽が鼠小僧の協力者である証拠情報を手に入れ、それを裏付けた。
確かに出来すぎてはいるが、志明と共に捜査した時には見落としていただけのはず。
偽装工作も考えられるが、あんな状態の大滝には不可能。他に助けがあるとすれば第三者だが、聞き込みや調査結果から、それは考えにくい。
そもそも、なぜ土方と紫乃が洋梨宅に居たのか。

自問し、自答する桜。自分が自分を疑ってどうするのか。間違ってはいない。
証拠がすべて都合がよくても。都合がよすぎても

証拠は本当に出羽の物だったのか。しっかりと確認したのか。
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(もしかして、私は取り返しの付かないことをしたのか……?)

(考えるな。眠ればいい……眠れば、明日になって……)


そうして一睡もできずに朝を迎えた桜。
証拠品を改めるため、皆より早く奉行所へ向かいます。

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「桜ちゃん、おっはよー! 朝早いねー、どしたの?」

陰鬱な雰囲気に一服の清涼剤、平賀 理夢。寮の入り口でばったりと出くわします。
志明くんの看病後、奉行所で調べ物をしていたら、そのまま寝てしまっていたとのこと。

理夢も現場検証をしてきたようで、なんと決定的な証拠を発見したようです。
それがこちら。
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出羽の自室、箪笥の奥から発見された舶来品の短刀
これを桜に渡すや否や、また志明くんの看病あると、療養所へ向かう理夢。

残された桜は、また都合の良い証拠品かと独りごちる。
今から本人に確認しようとも、出羽は肯定せざるを得ません。大滝を人質にとった桜に対しては。

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「確認した。下がっていいぞ」
一旦、寮内の執務室に戻り、証拠品を提出。

明らかに怪しんでいる近藤局長。
自分が間違っているのではと気付き始めている桜。

しかし、彼女にとっては、既に引き返せないところまで進んでしまっていることも事実。
出羽を無実の罪で捕らえてしまったのでは。遠山の者として、北町奉行 遠山景虎の娘として、もう引き下がることは出来ない。

胸が締め付けられる不安を抱え、逃げるように町へと飛び出します。

町中を歩いていると、突然 声をかけられ驚く桜。
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「お、おいおい……なにをそんなに驚いてんだ」

襲撃の件を知って、心配してくれている様子の二葉亭
蔵王の事件について、町奉行である桜に取材を申し込んできました。
代理として町奉行に就いたことは、耳の早い二葉亭だけではなく町中に知れ渡っているようです。

いつもの桜の姿を知っている二葉亭は、「バシっと格好良く頼むぜ!」と期待を寄せますが、当の桜は「期待されても困る」と意気消沈。
事件は順調なのか、という問いかけに、問題なく順調だとをつきます。

桜にとって、生まれて初めての、虚勢を張るためだけの嘘をつきました。

時間から言えば、そろそろ作戦会議が始まる時間。
重い足を引きずりながら、奉行所へと向かいます。

奉行所の入り口で、歩いてくる理夢と またも鉢合わせます。
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桜に気づき、手を振る理夢。ちょっと馬鹿っぽい

山南さんは用事があるようで、今日の志明くんの看病は理夢一人だそうな。
先ほどは療養所へ向いましたが、作戦会議くらいは出ておかないと、と戻ってきたとのこと。

それも、近藤さんに居なくても構わないと了承を得て、こうして出てきたようです。
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「桜ちゃんこそ、なにやってるの? てっきり奉行所にいるもんかと思ったけど」

「ちょっと散歩をな」と桜。

そうして知らされる事実
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「それなら急いだほうがいいかもね。作戦会議、そろそろ終わりそうだったよ」

愕然とする桜。
いつもとは違う時間、自分のいないところで、何も聞かされていない会議を。

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「……あ…………」

頭が真っ白になりながらも、足を進める桜。
作戦室の前まで辿り着きますが、それでも中へ入ることに躊躇します。


襖の奥から聞こえてくる声。
「相変わらず姿も見せずに、なにしてんだろうな」
「さあな……もう、気にしても仕方のないことだ」
「であるからにして、再捜査を行う。抜かりなく頼むぞ」

進撰組の面々が再捜査に向けて話し合っている様子。

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「あ、あの……桜お姉さまは……?」
桜を気に掛ける、小梅の声が聞こえる。

「ああ、あいつか。あいつは……」
それに対する近藤局長の声は冷たい。

「……必要ない」

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